ブログ
歯の豆知識Tooth Trivia
2021.04.13
噛むことが大切な4つの理由
春日井市高蔵寺駅近くにある森川歯科クリニック院長歯科医師の森川です。
本日は噛むことが大切な4つの理由に関してお話をしていきます。
噛むことが大切な4つの理由
歯とお口の基礎知識
私たちが健康的に生きていくために「健康の入り口」と言われている口の中を健康に保つことはとても大切な心がけです。
「よく噛んで食べなさい」と子供の頃に言われて方も多いと思います。
私達の健康はこの噛よく噛んで食べることと以外にも密接に関係しているのです。
よく噛むことは健康づくりの基本
私たち歯科医師の間では、噛むことについてただ単に小さくなった食べ物を胃に送ることだけではない4つの効果を以前から認識していました。
1つ目の効果は、胃腸のはたらきを助けるということです。これは、多くの人が認識していることだと思います。
細かく噛み砕いた食べ物と消化酵素が含まれただ液とが一緒に混ざることで胃腸への負担をやわらげて消化を助ける効果が期待できます。
2つ目の効果は、虫歯や歯周病の予防です。
だ液には、口の中に有害な細菌が停滞し繁殖するのを防いでくれる自浄作用と有害な細菌と戦ってくれるペルオキシダーゼと呼ばれる酵素が含まれています。
よく噛むことでこのだ液の分泌が活発になり歯の病気の予防に繋がってくるのです。
3つ目の効果は、脳の機能を高めるということです。
しっかり噛むことで脳を刺激して血行がよくなります。更に栄養と酸素が十分に供給されるので脳への機能を高めてくれる効果があります。
そのため、日ごろからしっかり噛んで食べることによって脳が活発にはたらき年齢が若ければ注意力や集中力、バランス能力向上が期待され年齢が高くなって身体的に衰えてきても転びにくく骨折や寝たきりのリスク、認知症の予防も期待されます。
また、よく噛むことで目の周りの筋肉も刺激され血行促進により視力低下の予防にも効果があると考えられています。
4つ目の効果は、肥満の予防に役立つということです。
よく噛んで食べることで脳の満腹中枢が刺激され少ない量でも満腹感が得られ食欲抑制に繋がります。自然と食べ過ぎることが少なくなりダイエット効果や生活習慣病への予防にも役立ってくるのです。
入れ歯になると噛む力は3分の1に
最近では、上の4つの効果に加えてよく噛むことがガンの予防に役立つのではないかと注目されています。
先程の効果でもだ液にはペルオキシダーゼという酵素が含まれていると書いていましたが、有害な細菌と戦うだけでなく活性酸素と言われる食べ物に含まれる発ガン性の物質が作り出すものを消してくれる作用があると指摘されています。
このように、よく噛むことは私たちの健康に大きく関わっています。
とうぜん、よく噛むためには歯が必要です。虫歯や歯周病で歯を失い入れ歯になってしまうと噛む力は3分の1程度に低下してしまうと言われています。ですから噛むための歯もまた健康でなくてはなりません。
歯医者さんからのメッセージ
健康で丈夫な歯を保つために、正しい歯みがきの仕方を習慣づけし自分の歯への関心も高めていきましょう。
そして、
正しい歯みがきの仕方やなかなか自分では磨けないところもありますのでかかりつけの歯科医院への定期健診やクリーニングをおすすめします。
『ひみこのはがいーぜ』
という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
口の中の健康を保ち笑顔で日々過ごすことは健康長寿にも繋がっていきます。
そして、この言葉1つ1つの文字に意味があります。
どのような意味があるのか詳しく見て行きましょう。
ひ:肥満防止
よく噛むことで脳が刺激され満腹中枢が働くので食べ過ぎによる肥満防止になります。
み:味覚の発達
よく噛んで細かくすることでだ液量も増え表面積も増します。そうすることで本来の味を感じることができます。
こ:言葉の発音がはっきり
よく噛むことで口の周りの筋肉や骨格が発達し、正しい発音ができるようになります。
の:脳の発達
よく噛むことで脳が刺激され脳に流れる血液やさんその量が増えるため、子供は脳が発達し集中力やバランス感覚の向上に、大人は認知症予防することができます。
は:歯の病気予防
唾液には「自浄作用」と言って食べかすや有害な細菌をを洗い流す作用があります。
よく噛むことでだ液量が増え虫歯や歯周病の予防に繋がります。
が:ガンの予防
発ガン物質はだ液に30秒つけておくと毒消しの効果があるそうです。
このことからよく噛んでだ液量を増やすことでがよく出て食べ物と混ざり、がん予防に役立ちます。
いー:胃腸快調
よく噛んで食べ物を細かくすることで胃腸の働きを活発にし消化を助けます。
また、食べ過ぎ防止にもつながります。
ぜ:全力投球
噛むことで脳や他の身体の機能の向上に繋がり、仕事や勉強に集中することができます。
これらのように、噛むことにはこの8つのいいことがあります。
弥生時代では一回の食事で噛んだ回数は約4000回、食事時間は60分もかかりました。
現代人は一回の食事で噛んだ回数は約620回、食事時間は11分と日本人の食事時間や噛む回数は時代とともに減少傾向にあります。
1つは、昔に比べるとやわらかい食べ物が多くなってきているのもあります。
そして、現代人は昔の人に比べて顎が小さくそれにともない歯並びが悪くなりやすくなっています。噛む回数の減少により骨格にまで影響を及ぼしているのです。
そのため、意識して噛むことや、硬い食べ物を食べるようにしましょう。
高齢になると栄養不足も懸念されます。
しっかりと栄養をとるためにタンパク質は重要になってきます。
タンパク質は主に肉などで摂取しますが、肉などの歯応えのある食べ物を食べる為には自分の歯でしっかり噛めないといけません。
入れ歯で自分の歯と同じように硬いものを噛むのは難しいのです。
肉だけではなく他の栄養をとるためやどんなものでも食べれるという「食事を楽しむ」ということのためにも自分の歯で噛めるというのは大切なことなのです。
1本でも自分の歯を多く残し、楽しく美味しくごはんを食べるためにも毎日の歯磨きや、歯科医院での定期検診を受けましょう。
気になることがありましたらお気軽にご相談ください!
春日井市の歯医者 高蔵寺駅近く 森川歯科クリニック
歯科医師 院長 森川真作